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参加者:計8名(内一名リモート参加)   1.自己紹介 ①名前 T・M ②年齢 50代 ③発症の経緯  コンビニでの夜勤業務中に発症。  就労中、早朝突然レジに表示される数字が理解できなくなり、異変を自覚  その時、丁度来店されていた常連のお客さんに事情を説明して他の来店者の入店を一時断るようお願いし、上司と119番に電話をする。  上司が到着するまでの間の対応を前述の常連さんにお願いして到着した救急車に乗って病院へ向かう。  病院到着後そのまま入院。   ④クロスジョブ札幌利用に至った経緯  当初入院していた病院から転院し、退院後の身の振り方をソーシャルワーカーさんに相談した所、就労支援事業所を紹介して頂き、そのうちの一つがクロスジョブさんだった。   ⑤クロスジョブ札幌に決めた理由  お話を伺って、就労に特化した印象を受けたため。  なんにでも使える十徳ナイフよりも専門の道具の方が最終的に使い勝手が良いと判断した。   そのほかの意見)    ・8か所ほど行き、クロスジョブが良い意味でほっといてくれない。     しっかりと訓練や面談の中で自分と向き合ってくれているように感じたから。    ・障がい者職業センターさんからの紹介    ・ハローワークさんからの紹介   2.実習概要 ①企業名  某コンビニ ②実習期間 令和4年12月4日~12月24日 毎週日曜日 計四日間 ③勤務時間 13:00 ~ 17:00 ④業務内容 ・納品(センター便)の納品作業及び陳列や補充 ・値下げシールの貼付 ・店内商品の補充、前出し及び顔出し ・ウォークイン内商品の補充、前出し ※前述の高次脳機能障害の症状により値下げシールに不安を覚えたがミスはなかったとの事 ※高次脳機能障害の症状の一つ、易疲労性を雪かき等で克服   3.実習の様子 ①大変だったこと、課題と感じたこと 『大変だったこと』  目の前の作業を行いつつ、頭の片隅に他の事を置いておかなければならない状況(マルチタスク)に苦労した。 『課題と感じたこと』  常に流動的な店内の状況に、都度々々臨機応変に対応する能力(脳内での処理速度)が衰えている感覚があり、現実にそれに対処することが必要だと感じた。   ※レジ作業は行わなかったが、実際に就職した場合はレジが主になるだろうから不安が残る ※症状:情報処理速度の低下→情報処理が周辺状況の変化等に追い付かずフリーズしてしまう→焦ったら焦っただけパニックを起こす ※発症当初に自覚した数字に関する症状はましにはなったが完全回復はしていない。   ②会社から頂いた評価(クロージングで言われたこと) ・自ら考えて動けている ・若干のイレギュラーにも対応ができていた ・指示されている内容を確実にこなしているイメージ ・品出し、顔出しともに綺麗に出来ていた   ③会社からの評価をもらった感想  自分が理想としている動きが出来ていない、また、求められているであろう動きと乖離がある印象だったので、考えていたよりも高評価だったのは意外に感じた。 ※クロスジョブの訓練で自身の状態の把握と問題の予測・対策の訓練を行なったため非常にミスが少なくなった ※週一度だったので面談含め、情報を整理して飲み込む時間が十分とれたのも大きい   ④就労のために、訓練で取り組むこと(意識すること) ・複数の事を同時に進める事が困難になっているため、優先順位を決めて取り組む。 ・指示の優先順位など、不明点は指示者に確認する。 ・勘違いの防止と記憶への定着のため、指示内容の復唱を心掛ける。 ※処理・理解速度の低下により指示の理解速度も低下しているため勘違い・思い込みの防止のため、復唱の重要度は高い   4.コンビニの仕事の職務分析 ①コンビニの仕事の魅力 ・接客業なので常に対応する対象が目の前に居るというレスポンスの速さが楽しい。 ・時間で決まっているルーティン作業とイレギュラーに対応しなければいけない場面、その両方のバランスが個人的にあっている。   ②コンビニの仕事で求められる力 ・お客様ファーストの誠意を基にした動き ・臨機応変な対応 ※自分のやりたい仕事よりもお客様の求めている仕事を優先。接客業の常。   ③店員がどのような社会貢献になるか ・業務を通じて地域社会に参画している ・「いつも変わらずそこにある」という安心感の提供 ※コンビニは客にとって身近な場所であるため、そこで働くのは十分社会貢献になる   5.参加者からの質問 ・自分自身の事も話していただいて距離が縮まった気がしました。 質問は2点。まず、(1)実習で高評価を貰った理由として挙げた対策を具体的にお願いします。  次に、(2)現在の葛藤について現実の自分との折り合いについて。現時点でも葛藤してはいるでしょうけど、Tさんなりの折り合いの付け方をお願いします(参加者E)   ▽参考:資料5. ④現在の葛藤  健常だった頃の「出来ている自分」の亡霊をまだまだ払拭出来ず、現状と亡霊の乖離に今でも頭を悩ませていて、常に腹を立てている。  これは恐らく元々の完璧主義から来ているのかもしれず、それに加えて障害を抱えてしまった事での理想の自分やかつての自分との乖離が余計に広がってしまったと感じてしまっていることによるものだと思っている。   回答:(1)健常者の頃の自惚れから脱してメモを取ることの重要性・メモを取らないと忘れてしまう自分に気づいた    メモという形で外部出力して確認できる安心感    各々の特性に合わせて考えてね    メモを書くためのルーズリーフの表紙に、先走ってパニックになってしまう事を防止するため・感情その他と思考の乖離を防ぐための「落ち着け」    ルーズリーフのほかにも冷蔵庫にも貼っている。 ※頭での理解より先に行動してしまう・メモの時間分相手を待たせてしまう事を厭う →勘違い・思い込みを防ぐために落ち着くという対策。      (2)折り合いについては、悩みは置いておいて目の前のやらなければいけないことを。思考の切り替えはとても大事。「前出来ていたのに」から「それが今なのだからとりあえずやんなきゃいけない」へ    完璧ではない自分は置いておいて、やるべきことをやろう。    ※この折り合いは一生続く。ここから卒業してすぐ過去の亡霊と決別は出来ない。一生付き合い続けていくもの   質問:体力などで高次脳機能障害を乗り越えられたのだと考えますが、乗り越えられた瞬間についてお聞きしたいです(体験Yさん)   回答:いつ突然、ではなくグラデーションのように少しずつ良くなっていった    除雪など、否応なしにやらなければいけないことで体力の快復をしていった。    脳疲労に関しては自覚なし、定期的なクロスジョブでの訓練そのものが脳疲労の快復に繋がったのではないだろうか。 ※同じ高次脳機能障害のMさんは長い階段を上ってクロスジョブに通所することで体力をつけている様子。   質問:使っている道具を見せていただきたいです(福岡スタッフ) 回答:色ペン、各訓練のメモ、付箋などいろいろ入ってます。   感想  今回議事として議事録を作らせていただいたOです。  自分は障害が発達障害に分類される為、健常者であった過去の自分の差異、というものに関してはピンとくるものが無いのですが、それでも理想とする自分との差異については理解できるつもりではあります。  こういった障害はどちらがより深刻、というようなことではありませんし、比べるようなものでもありませんが、これから先も自身と向き合い、頑張っていってほしいと思います。