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株式会社 良品計画 無印良品難波 館長 柳澤様                                                3年継続表彰 M様 インタビューをさせて頂きました お二人とも終始和やかに笑顔で対応して頂き、 “無印良品の店員さん”という無印良品のイメージ通りの印象でした。    以下、柳澤様(Y)・Mさん(M)・田中/出原(S) 【仕事内容】 Y:地下1階で、メインはステーショナリーを担当してもらっています。 現場には、フロアリーダーがおり、その担当のスタッフともうまく連動できています。 売り場のスタッフが品出ししやすいように、一時ストックの商品を単品別にすぐ出せるように管理をしてくれています。手が空けば1階のほうも大変だからフォローに入りましょうかと自分で言えるようになってきています。 【スケジュール表】  Mさんは、9時~16時の7時間勤務(休憩1時間)で、週4日勤務(月・金・土曜休み)です。 S:時間は、ご自分で管理されているのですか Y:そうです。いったんこの時間割でやってみて、これはできるかできないかをやってみてから、どうするかを考えます。1~2ヶ月に1回は更新しています。 あまり時間を細かくするとストレスになる為、ある程度余裕を持つように協議しながら決めてます。 M:入荷した商品を倉庫にしまう作業もあるので、日により量がまちまちだったりするので、あまり時間を決められてしまうと、できないときもありますし、午前の作業が午後に持ち越すこともあったりとか、場合によっては、汚れがすごくあるときは掃除を優先して、商品をしまう作業は後回しにしたほうがいいなとか、こっちを先にしてたらいいなとか考えているのできっちりとされすぎることはしんどさがあります。 Y:週1回営業サポートチームの会議を1時間、個人面談は月1回支援機関の方もかならず参加して頂いて1時間しています。 支援機関さんとも、通所面談もされていますから、そのときの内容や相談事もこちらに書いてもらって、それを、ご本人と三者面談でフィードバックしています。 【会議について】 Y:毎週のミーティングで議事録を書く記録係(交替制)がいます。 議事録は、無印良品店長主催の週次社員ミーティングでコピーを渡して、問題提案、あるいは売り場の不備の指摘内容を報告しています。営業サポートチームのほうが気付くことが多いです。 M:議事録はチームに1冊あって、私は毎週自分用にもノートに書いています。 Y:学んでいただくのは「報連相ができる」ということと、「メモをとる」ということですね。 障がい者就労とは全く関係なく、会社に入って働くと、メモをとることは当たり前ですね。 指示を受けた、それに対する報告、期日をもって報告をする、そして私は、問題提案が起こったら即日対応致します。 メモをとったり、「報・連・相」するということが、どこでも継続されていくと思います。その中で、「適性を見出す」ために我々がどこまで支援できるかなんですよね。だから、いろいろなことを経験してもらいたいと思っています。 M:メモをとった方がいいと今年に入ってうかがいました。たしかにそれは私の弱いところで 私はものごとを順序だてたり、整理して考えたり、自分で持ち込むことが苦手で、突発的に 話してしまったりして、話しながら頭の中を整理することが多いですが、それを指摘されて、 心がけて都度気づいたところをメモしたりすることを始めてから、報連相ということを忘れて しまっていたことがありましたが、そういうところも余さず言えるようになったので、それは ここで働いているおかげだと思います。 【適性がわかってきて、良くなってきたこと/働きやすくなってきたこと】 M:最近まで体調が整わなかったです。特性上気分の変調が激しく、遅刻が多かったのですけど、今年に入ってから、体調を整えられるようになってきて、それまでも仕事をしないといけないという気持ちはありましたが、気持ちが空回りの部分があったと思います。今は、仕事をするという責任をもうちょっと、有意義に考えているというか、仕事に対しての向き合い方が変わりました。前までは100%全部こなさないといけないと思っていたんですけど、今は70~80%できればそれでよしと考えていて、前から主治医にも言われていました。「あなたは6割の力でいきなさい」と言われていますが、6割って少ないと思っているんですが、たぶん私が6割と言っても8割やるって分かっておられるからだと思うんです。だから7,8割くらいのパーセンテージでできてたらいいと思っています。そしたら休みも減ったし、遅刻欠勤早退も減りました。 S:転換点は? M:今継続して働いてる方とすごく良い関係を持っていて、相談もできるし、意見を出し合えることが一番大きいです。もちろんサポートしてくださっている上司・支援機関・一般スタッフ・シルバースタッフ・社員とかいろんな方と関われるようになってきました。初めのころは精神的に距離がとてもあったのですが、シルバースタッフとも相談が徐々にできてくるようになっていて、リラックスして働けるようになってきているかなと思います。 S:気持ちが変わったきっかけは? M:自分の担当を持たせていただいたということが責任感を持つきっかけになったかなと思いますね。 ステーショナリーを担当して持ち場を担当させていただいて、初めはもっと補助的な感じだったのですが、教えていただいて、どうしたらいいかということがわかってきて、自分で考えてこうしようとか、できたという経験を積んできたことで、自信というか、やれるということが増えてきたということが、責任感ややりがいに繋がってきたと思います。 【3年続いた秘訣】 M:無印良品っていうお店自体が入社する前から好きでした。就職活動も頑張って、せっかく入職したところだし、簡単に辞めたくなかったです。しんどいこともたくさんありましたし、1ヶ月とか休職したことも何度かあって、それを許してくれる会社ということもそんなにないと分かっていたし、こんな出来ない私も許してくれるということにすごく感謝をしていて、それでもっとやれるようになりたいという気持ちがありました。 Y:「適性を見る」ことが受け入れ企業としての使命だと思っています。我々の売り場のスタッフも初めは声をかけるだけでしたが、だんだん業務や作業のなかで一人のパートナーとしての受け入れ、それがMさん自身にも伝わってきて受け入れられているなという環境を感じているところがMさんのすばらしさでもある。 昨年4月からカムバック制度スタートさせました。以前働いてたけれど、また働きたい人を完全に受け入れます。場合によってはその職制もそのままです。働いていても辞めても安心という良い制度と思っています。何かあったときに不安から不満になって、不満が大きくなって不信という悪いスパイラルにいち早く察知しながら、安心して働けるという職場環境を改善していくのは店舗の責任だと思っています。 業務について3年になると、Mさんの考え方も行動もステップアップしています。できることもとても広がってきますし、自分でまとめる力もでてきましたし、業務の問題点も人に言える、いわゆる「報・連・相」ができるようになってきました。 【仕事を任せていいというきっかけ】 Y:こちらからではなく、本人のもつ自分の職務に対する意欲ですよね。 M:最初、ステーショナリー担当と言われてびっくりしましたし、同じようなペンがたくさんあって、、区別がわかるわけないと思って、正直向いていないんじゃないかと思いました。向いてないというか、興味が持てないのではないかなと思いました。やってみるとステーショナリーに愛着がわいてきますし、同時に、何でも興味を持たないといけないなとも思いました。 Y:Mさんは、自分だったらどうする、こうしたら扱いやすいのではないか、品出ししやすいのではないかと考えられるようになって、その考えを行動に出せるようになってきています。 M:クロスジョブから、S社に実習に行った際、上司の方から「自分の仕事の先にお客さんがいてると思え」と言われました。自分の仕事のすぐ先にお客さんがいなくても、次の作業をする人がお客さんと思った方がいいと言われて、すごいそれに感銘を受けて、もし働くことになったらそうしようと思って、今、そういう作業を心がけています。 【発信/相談】 M:はじめは漠然とした感じで、自分のことで精いっぱいでした。社会人としてちょっと恥ずかしいような、自分の体調とか自分の気分で動いていた感じでしたが、それを諦めずに頑張ろうって支えていただいた上司、支援機関に支えられて、支えて下さった方々に報いようという気持ちがあります。 【障がい者雇用を始めたきっかけ】 Y:良品計画という会社の設立前、店舗に商品を入れるセンターを立てないとだめで、自分には、 販売営業以外の知識は全くなかった。物流で共に働いた人は、手脚が小児麻痺の身体障害をお持ちの方でしたが、ワープロを使って報連相やコミュニケーションをはかれる人がいてました。また、支払業務をPCで行なう「会計センター」でもメンバーは全て障がい者。それを統括していたリーダーの方もペースメーカーを入れ、毎週通院しなければいけない方でした。そういう繋がりもあり、雇用継続してきたわけで、当初から「障がい者雇用」という意識でしてきたわけではありません。義務感というかそういうものはない。それぞれみんな違う育ち方、環境があって、人格形成ができてその中で何か特性がでてきて、その特性が活かされて、社会に出て働いて、対価を得て生活していく。「適正」があって、適正を知らずとも、長く働く事ができたのなら、それが適正だと思う。 自分より秀でたものや自分にはない知識をもっていたり、自分にはできないことをしていたり、障がい者と言われる人の中にも跳びぬけている方も良く耳にします。  全ての人間は神様ではないので、何かしら障害を持っています。その障害が強く出る人とあまり出ない人がいるという事であって、違いは無いのです。だから共に生きて行けるのです。 【今後の目標】 M:入社は、売場スタッフとして雇用されているわけではないが、品出しの時にお客様に声をかけられることがある。そのため無印の定番商品や商品知識をつけていきたいと思う、無印良品で担当しているステーショナリーの知識を深めたい。目標としては高いかもしれないが他のスタッフと遜色なくお客様からしたらハートフルとか関係なく、違いはない。 スタッフに引き継ぐことであったとしても応対した時に無印良品らしい受け答え だった、感じのいい応対だったと言われたいです 少し前から16時まで時間を延長しました。先の話ではあるが17時までできたらいいと思います。 (Mさんの名札に“元気な挨拶”と書かれていました) Y:従業員としてお客様に対する気持ち、働く上での心構えにして、忘れないようにしている。 今は営業サポートチームであるが、今後は営業サポートではなく売り場のチームの一員として働いてもらえたらと思う。Mさんは自分で行動できて、改善できて、問題点を発見して進められるようになってきている。その中で自分の適性を見いだせたらいいと思う。あとは、少し先の将来のことを考えられるようになればいいと思う。生活の糧となる給料という形でもって生活できるようになればいいと思う。                         「障がい者雇用の教科書 人事が知るべき5つのステップ 太陽出版 二見武志」 を頂きました  長時間に渡り時間を取って頂き、ご丁寧な対応と貴重なお話ありがとうございました。