スタッフの一日

〈読書感想〉スルーできない脳2018年06月11日

こんにちは。

日に日に日差しが強くなり、紫外線対策が必要な季節となってきました。

この季節はほぼ日傘を持ち歩くので、荷物が重たくなります。

 

さて、今回は読書感想です。

私は家に積読(本を購入して読まずに積んでおくこと)がたくさんあります。

その中の1冊を読みました。

ニキリンコさんの『スルーできない脳』(生活書院)です。

 

ニキさんは翻訳家で、アスペルガー症候群と診断されており、自閉症スペクトラムの当事者の方です。この本以外にもご本人の経験から多くの著書を執筆されています。

具体的なエピソードが満載で、詳細に記述されています。

そして、それぞれのエピソードを整理したうえで、わかりやすい言葉でネーミングされているので、とても読みやすく、理解しやすかったです。

あくまでもニキリンコさんの視点・立場から書かれている本なので、すべての方に当てはまるということはないと思いますが、当事者の方々にとっても支援者にとっても役に立つ本だと思いました。

ニキさんは「スルーする力が弱いと、人の脳は簡単に情報過多になり、情報疲労を起こしてしまう」といい、そのスルーできない要素として

 

1. モンダイな画面分割:自閉っ子が何か頭に浮かべるとき、基本的に頭の中のスクリーンは一枚のみ。(略)同時に複数の考えを表示するのは難しい。結果、「一度にひとつのことしかできない」とか言われることがある。

 

2. モンダイな解像度コントロール:自閉っ子の頭のスクリーンに浮かぶ絵には、必要以上の大作が多い。アイコン程度でOKの出来事でも、詳細な点まで描いた大作になってしまう。

 

3. モンダイな消去ボタン:力作の絵を消すには、もちろん時間もエネルギーもかかる。頭の中の大画面に詳細な力作がでんと構えているとなると、新しい情報は入っていきにくくなる。

 

という3点を挙げておられます。

以上の3点の中で興味深かったのは、2つ目の「モンダイな解像度コントロール」です。

世界を解釈する解像度が高いと、個々の個体差が際立ちすぎて、細部までぴったりと一致しない限り「同じ」と感じられないようです。

結果、モノの共通点を見出せず、類似の判断やグループ分けをすることが難しくなります。具体的には「犬」を理解することが難しかったり、場合によっては人の顔を覚えられない(人の顔は感情で変わるため)ことがあるようです。

 話を戻します。情報による疲労を避ける方法も多く提示されていました。ニキさんによると、入ってくる情報を、何から順に排除していくかを考えていくそうです。

ニキさんの場合、例えば、旅行プランニングを業者や同行者にまかせる(そして計画を詳しく聞かない)、買い物のポイントやスタンプをやめる、懸賞をやめる、〈ついで〉を欲張らない、答えをみながら勉強する、ネットスーパーを利用することで、情報をコントロールしているとのことです。

 この本を読んで、情報処理の違いによって生活や仕事で困難なことが生じてきますが、身近な情報をコントロールすることでその困難が緩和するということを学ぶことができました。

この本で学んだことを応用し、情報コントロールの視点も取り入れて、今後の支援で活かしていきたいと思いました。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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