スタッフの一日

『「働く」ために必要なこと』を読んで2018年06月11日

こんにちは。鳳事業所のハムリンです。

 

品川裕香著『「働く」ために必要なこと』を読みましたので報告させていただきます。
この本では、仕事に定着したいのにうまくいかない若者たちのエピソードを取り上げ、働くためにどのようなことが必要であるのかが議論されています。

 

前半は具体例として、仕事で起きる様々なことを理由に辞めてしまう若者たちのエピソードが取り上げられています。人と全く競争してこなかった人。勝ち組になるために勉強だけしてきた人などが会社で適応できず辞めていく様子などが書かれています。会社で採用や新人研修を担当される方が、最近、攻撃性や衝動性を持っている人が少なくないと話されていて、会社では様々な問題に対応しているのだそうです。

 

著者は、攻撃性や衝動性と反して、働くために必要なことの中でもっとも必要な要素は「人とつながる力」であり、そのために必要な要素は「弾力」を持つことだと述べています。

 

「弾力」とは、物理学の用語で、「外力による歪みを跳ね返す力」のことで、精神医学や心理学では、「不利な状況だったり失敗しても立ち上がって、適応していくしなやかさ」として使われる言葉です。そして、生き抜いていける子どもは、弾力があるからと考えられています。そして弾力を養うためには、「保護要因」を強化することで可能となります。「保護要因」とは家庭や学校、地域などの環境の中で、温かい人間関係、効果的な育て方など、その人にとってプラスになる経験をすること。また、自分自身の中でも、気づきや自己観察、自律心を持つことで養われるということです。

 

本書もまた、親のあり方が与える影響が大きいということが述べられています。親の役目は大きいと子育て中の私も我が身を振り返ります。入園、入学すると、子どもが、ちょっとしたことで心が折れてしまわないか、しなやかな対応力を持っているかと心配する親がほとんどだと思います。友達とぶつかることがあっても、話し合って仲直りできたらホッとします。家族や地域の子育て仲間、幼稚園や保育園や学校の先生たちと一緒に話し合いながら育てていけることも大切なことです。まずは、親自身の「人とつながる力」が何より大切なのではと感じます。

 

朗報は、本人に衝動性があったとしても、「自分には衝動性があるんだな。変えていこう」と気づけたら、自分を変えていくことができると述べられています。訓練を通して、自分について知っていただくことをしていただいていますが、自分の特性に気づいて変えられるところを変えていっていらっしゃる利用者さんを見ていると、本当に偉いなと感じます。自分のことを認めることは時に勇気のいることですから。私が支援の中でできることは何かと考えると、「安心して」気づいていっていただける関係性を築いていくことかなと思います。何があっても大丈夫だと安心していただきたいです。先輩スタッフのみなさんから学ばせていただきながら、ゆっくり信頼関係を築いていきたいと思います。