企業訪問記『株式会社アダストリア・ゼネラルサポート』様

2018 クロスジョブ雇用促進フォーラム 企業訪問第22弾

 

今回は梅田事業所からの就職者・Kさんが勤務をされている【株式会社アダストリア・ゼネラルサポート】をご訪問しました。Kさんの仕事内容は、アパレルショップの店舗清掃、バックヤードでの洋服たたみや売価変更です。Kさんは、実習、面接を経て、昨年の12月からトライアル雇用に取り組まれ、今年の3月より本雇用となりました。今回の雇用フォーラムの3年勤続表彰の対象者ではありませんが、雇用フォーラムに向けて障害者雇用を積極的に行われている矢島様やKさんからお話をお伺いすることで、「なぜ働き続けることが出来るのか」のヒントを得たいと思います。

 

■インタビュー 1 ~企業のご担当者様・矢島様へのインタビュー~

 

加津間:貴社の障害者雇用の歴史、経緯を教えてください。

矢島様(以下、敬称略)2004年に事務センターを開設し、障害者雇用を開始しました。2013年12月にアダストリア・ゼネラルサポート(以下、AGS)設立、2014年5月に特例子会社に認定されました。2015年には物流センターが開所し、ショップサポート業務を開始しました。2018年6月末現在、205名の障害のある方を雇用しています。

加津間:内訳を教えていただけますか?

矢島:身体69名、知的35名、精神101名です。

 

加津間:貴社が業務を行う中で、一番大切にしていることを教えてください。

矢島:誰もが働き続けられ、活躍できる企業となることです。また、少子高齢化にともない労働力が減少するの中で、誰もが働き続けられ、成果を出せる企業になっていくことを目指しています。

さらには、障害の有無を問わず、個人の特性・個性を尊重して、相互協力のもと刺激し合いながら、ともに社員・社会人として成長することを大切にしています。

 

加津間:一緒に働く仲間として、従業員に求めていること、共有していることはありますか?

矢島:特例子会社としてアダストリアグループ内の障害者雇用を促進していますが、AGSは企業であるため、「戦力として働いてほしい」ということを伝えています。

加津間:戦力となる人材とは、具体的にどの様な内容ですか?

矢島:企業戦力となれる方、業務貢献を行うことができる方です。AGSの従業員には、給料を得ている分、労働力をもって期待に応えてほしいと伝えています。また、個々人に対する合理的配慮は行いますが、仕事の厳しさについては、全スタッフ同じであることも伝えています。

 

加津間:従業員の皆様が共通認識をもって仕事に取り組むために、社内で取り組まれていることはありますか?

矢島:入社した方には、できるだけ長く働いていただきたいので、障害のある方が働きやすい環境を整備することを取り組んでいます。例えば、通勤の配慮としては、事務支援センターを駅近に作る、バリアフリーのある建物にする、物流センターが駅から遠い場合は送迎バス運行をしていることなどです。また、従業員がすぐ相談出来る体制や自分の体調を伝えやすい環境を整えています。

加津間: AGSの従業員の方は、業務の中で一般従業員の方と関わる頻度が多いと思いますが、一般従業員の方へ障害者雇用の理解を促す際に伝えられていることはありますか?

矢島:一般従業員の方には「普通に接してほしい」と伝えています。

障害者雇用は、お店のために行っています。AGSの従業員が働くことで、一般従業員の方が「助かる」と納得いただくことが、一番の理解に繋がるのではないかと思っています。

 

加津間:従業員の育成で大事にされていることはありますか?

矢島:障害内容だけで判断することなく、1人1人をきちんと見ることを大事にしています。また、従業員の話をしっかりと聞くこと、誰にでも同じ対応をすること、基本的対応(明るく、穏やかに・ゆっくり、ていねいに、繰り返し)を守ることを大事にしています。

障害があっても自立できる従業員になってほしいと願っています。

 

加津間:弊社には就職を目指す利用者の方が沢山いらっしゃいます。企業目線で、就職までに身につけておいてほしいと思うことはありますか?

矢島:生活に関する力と就労に関する力を身に付けて欲しいと思います。

具体的には、心と体の健康管理、日常生活の管理、社会生活に必要な力、職業生活を続ける力、仕事をこなす力などです。これらの力が身についていることで、働いた時の業務処理や正確性、生産性に繋がってくると思います。

 

加津間:支援機関に求めることはありますか?

矢島:第一に企業は、従業員が就労の成果に対し、賃金を支払う場所であることを理解して頂きたいです。企業としては、生活面や緊急時のサポート、定期的な巡回があると安心できます。また、企業と本人の双方の状況を理解し、バランスよく両者に関わることができる支援者は信頼したい方だと感じます。

 

加津間:矢島さんのことについても教えて頂きたいです。

 矢島さんがこの仕事を選ばれた理由、やりがいを教えてください。

矢島:障害者雇用に携わるきっかけは、会社から部署異動の打診があったからです。

 やりがいを感じる時は、従業員の成長を実感した時と一般従業員の方など、お店に関わっている方から認めてもらえた時です。

砂川:一般従業員の方への満足度はどのように把握されているのでしょうか。

矢島:年1回アンケートを取っています。稼働率やAGSのスタッフがいることで接客にどれくらい集中することができるようになったか、要望やもっとやってほしいことを確認しています。実際に、障害のある従業員が清掃やバックヤード業務を担うことで、一般従業員が接客に集中できたとの実績を得ることができています。

 

加津間:これから就職を目指される方へメッセージをお願いします。

矢島:障害があっても会社から求められた仕事をしっかりと行うことができれば、必ず認められると思います。そのためには、働くために必要な力を一つ一つ身に付ける、自信を付けることが大切です。必要な力を身に付け、就職を目指していただきたいです。

 

■インタビュー 2 ~AGSで働くKさんについてお伺いしました~

 

加津間:Kさんの働かれている様子はいかがですか?

矢島:遅刻や欠勤なく、安定して勤務されています。

 業務の理解度は高く、仕事ぶりも丁寧です。お願いした仕事は、どんなことでも嫌な顔をせず、しっかりと最後まで取り組んでくれていますね。

 

加津間:一緒に働かれての印象はいかがですか?

矢島:すごく真面目で、きっちり仕事をして下さる印象です。スタッフ同士のコミュニケーションにも積極的で、ムードメーカーになってくれています。女性スタッフが多い職場ですので、人間関係を心配していましたが、今のところ問題もなく仕事をしてくれています。

 

加津間:今後、Kさんに期待することはありますか?

矢島:今できている仕事を継続して取り組んでもらうことです。

 今後できる業務を増やし、バックルームの作業を一人で自己完結できるようになっていただきたいです。

 

■次に、Kさんにインタビューさせていただきました

 

加津間:クロスジョブの訓練で役に立ったことはありますか?

Kさん(以下、敬称略)初めての作業でもクロスジョブのスタッフの方が丁寧に教えてくれたので、できるようになりました。苦手な作業もアドバイスをいただき、克服することができました。職場でアドバイスを聞く時に、クロスジョブで学んだ報告、連絡、相談が役に立ったと実感しています。

また、ハサミやカッターで切る作業が苦手でしたが、カッターの使用方法は就職してから練習したり、自分で工夫するようにしました。ハサミはクロスジョブの訓練でカッティング練習をしたので、訓練の成果が職場で役に立っています。

 

加津間:就職して良かったことはありますか?

K:スタッフの方の教え方が丁寧で理解がしやすいです。また、AGSのスタッフ皆で協力して作業するところも自分に向いていると思いました。朝礼の際、行動予定表で今日の作業説明をしてくれることも仕事のしやすさのポイントです。

 

加津間:今後、頑張りたいことはありますか?

K:体調面をしっかり整えて頑張りたいです。新しい作業も慣れて頑張っていきたいです。

 

   ~インタビューを終えた感想~

今回のインタビューで矢島さんが「企業の戦力として働いてほしい」ということを繰り返しお話されていました。就労移行支援事業所の役割として、就労に向けた準備には何が必要なのかを改めて考えるきっかけとなり、日々の訓練の質をより高めていきたいと感じた次第です。また、「企業と本人のことを理解し、バランスよく両者に関わってほしい」とのアドバイスも今後の指針としていきたいです。お時間を頂き、ありがとうございました。

 


 

≪インタビューにご参加いただいた皆様≫

 ・株式会社アダストリア・ゼネラルサポート

  大阪営業支援チーム アシスタントマネージャー 矢島 政人 様

  クロスジョブ梅田OB Kさん

 

≪インタビュアー≫

 ・クロスジョブ梅田 砂川 ・ 加津間