スタッフの一日

今年最後の読書感想2018年12月29日

この年末どのようにお過ごしされていますか?

今年もいよいよ終わりですね。

 

さて、年末、今年最後の読書感想(2冊)をお届けさせていただきたいと思います!

 

1.鈴木大介『脳は回復する 高次脳機能障害からの脱出』

著者の鈴木氏は、41歳で脳梗塞を発症し、高次脳機能障害になった方です。それ以前はルポライターをされ、路上生活を送る少女、窃盗を生業とする少年、売春を生業とするシングルマザーなど、苦しみを抱えつつ支援に繋がらない人びとの取材から複数の著作を執筆されていました。

 高次脳機能障害となった鈴木氏が当事者の立場から執筆された本が、今回紹介させていただく本です。もともとルポライターだったこともあり、とても読みやすい文章で、当事者の立場でしか分からない、書けないような内容になっていました。客観的にご自分のことを観察されており、専門用語ではわかりづらい言葉や障害もわかりやすく説明されています。例えば、“情緒の脱抑制”と“注意障害(凝視)”で発生したパニックに対して、わかりやすく「イラたんさん」という言葉を名づけられました。このパニックは、苛立ちや怒りを感じる出来事があると、その記憶がずっと頭の片隅に残り続けて、考えなくてもいいときに、そのことを考えて苦しく憂鬱になってしまうこと、だそうです。「情緒の脱抑制」、「注意障害」と聞いても、ピンとこないことがあると思いますが、鈴木氏のエピソードと合わせて読むと、理解が進みます。

 その他、医療者や支援者への問題提起もされています。言葉の不自由さ、思い通りに話せない、話しづらい、ということに関して、「言語野損傷」以外の言葉での明確な症状名もなく、研究者の発言も的を射てないとのこと。鈴木氏の感覚では「脱抑制やそのほかの高次脳機能障害による話しづらさ」「そのストレスによる二次障害としての心因性失声」、あるいは「心因性疾話」。鈴木氏は「びっくるするほど当事者研究は遅れている」とこれからの課題を提示しておられます。

 この本では、高次脳機能障害の経験から書かれた本ですが、鈴木氏も書かれているように、発達障害、精神障害、依存症・・・なども高次の脳機能が不全しているという共通点があると説明されていました。そのため、高次脳機能障害以外の障害を理解していく際にも、とても役立つ本だと思います。

 この本を読んだことで、利用者さんを理解する視点を拡げることができました。おすすめです!

 

2.橋本圭司『なるほど高次脳機能障害 誰にもおきる見えない障害』

 こちらの本は入門書です!専門用語をわかりやすく、イラスト満載で書かれているので、本が苦手な方でも手にとりやすくなっています!高次脳機能障害の説明、診断から退院・社会生活にもどるまで、そしてリハビリテーション、社会参加へと一通りの流れが書かれています。就労支援の章ではクロスジョブも紹介されています。

 

以上です!

みなさま、今年1年ありがとうございました。

新年からもよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎えください。

今年最後の読書感想 今年最後の読書感想

スタッフ

アーカイブ