スタッフの一日

読書報告【自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体】2019年01月09日

草津事業所の吉村です。支援で色んな利用者様に関わらせてもらっていますが、まだまだ自分の知識不足を感じています。利用者様のことをもっと知るため上記の本を読みましたのでその報告をさせていただきます。以下本の内容について少し記載していきます。

自閉症スペクトラムの方が抱える「生きづらさ」は何故起こるのか、自閉症スペクトラムの特徴や問題を説明し、どのように支援、対応するかが書かれていました。私はこの本を読み自閉症スペクトラムが10人に1人存在するということ、実は稀な存在ではないのだと知りました。

自閉症スペクトラムの共通する特徴として臨機応変な対人関係が苦手というのがあります。

この微妙なコミュニケーションのずれをいくつかの例をあげて説明されていました。

多くの人は実際の対人場面でなぜそれが変なのか説明してあげようとせず、「そんなことも分からないなんて、人としてありえない」という感情が無意識のうちに働いていて、微妙な対人関係の齟齬が対人トラブルに発展してしまい、そこで初めて問題に気づくということもあるそうです。

共通する特徴の2番目にこだわりが強いがあげられます。

こだわりとは「自分の関心、やりかた、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い」こだわりの対象は必ずずっと同じわけではなく、こだわる対象も盛り上がり、しばらくしていくと冷めていくということを繰り返す部分がある。

私はこだわりについて対象は1つとみていたので、こだわりの対象が別のものに移っていくという考えは勉強になりました。

こだわりの中で「中枢性統合」という概念について。

物事を構成する個々の部分よりも、まずは全体像をざっくりと把握する機能。この概念の例として、たとえば外出の際に、目的地に早くたどり着くことが最も重要なのに道順に強くこだわってしまうのは、早く着くという大局的な目的がよくわからずに目先の道順に気持ちがとらわれてしまうということがあります。

 

その他に見られる特徴として感覚の異常があげられています。

自閉症スペクトラムのひとたちは、他者と自分を比較することへの関心が低いため、他者に比べて自分の感覚機能が異常である、と気づきにくい。

周囲の人も、自分にとって平気な感覚がとても苦手な人が存在するということにピンと来ることが難しい。感覚の異常に関しては私もピンと来ることが難しいと感じています。そこを学ぶ手段としては本を読むことで自閉症スペクトラムの方々がどう感じているのか知ること、動画でも自閉症スペクトラムの見えている世界を動画にしたものもあります。

その他にも具体的で明確な情報を好み、抽象的な事柄や曖昧な情報への関心の乏しさ、運動が不器用で一部に運動機能の異常が見られる。などいくつか特徴があげられていました。

併存しやすい精神的・神経的な問題として下記があげられていました。

知的障害、学習障害(LD)、注意欠如 多動性障害(ADHD)、睡眠の異常、てんかんなどです。

また生活環境からの心理的ストレスによって2次的な生じてくる問題として、いじめ被害、不登校、ひきこもり、身体症状、チック、うつ、適応障害、不安、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、被害関係念慮が上げられていました。

この本に書かれている支援で大事になってくるのは自閉症スペクトラムの人たちは特有の発達スタイルがあり、それをきちんと理解すること。教えればできること、教えても出来ない事を的確に見極める目を養う。とのことでした。私は日々訓練を通してそれを見極める判断材料を増やしています。それをご本人と振り返りや面談を通じて共有していき、それを利用者の方が把握していった時に働き続けるという事に一歩ずつ近づくのではないかと思います。

また自閉症スペクトラムの方が社会参加するのに重要な鍵として、「自律スキル」と「ソーシャル・スキル」をあげられています。

自律スキルとは自分には出来ることは自分でやり、自分で出来ない事は人に頼る。自己肯定感を持ち、自分にはこんなことが出来るということを自信もつ、できないことについては自信をもって自分にはこれはできないと判断すること。

自閉症スペクトラムの方が必要なソーシャル・スキルとして「ルールを守れること」、「人に相談できること」があげられています。

私も訓練で利用者の方の成功体験を増やし、自己肯定感を養うこと、ルールを守ること、人に相談する報連想は大切にしていきたいと思います。

この本を読んで自閉症スペクトラムについて大変勉強になりました。また私達が支援で行っていることの重要性を再認識するよい機会になりました。


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