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お世話になっております。堺事業所の橋本剛志です。
今回は、『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』を読んだ感想を共有させていただきます。
内容については、著者の臨床経験だけでなく、データの提示や解決法の提案もあり、“この1冊で自閉症スペクトラムについて網羅できているのではないか?”と思うくらい、読み応えがありました。
その中で興味を持った2点について、まとめたいと思います。
1点目ですが、「非障害自閉症スペクトラム」という考え方についてです。非障害自閉症スペクトラムとは、自閉症スペクトラムの傾向を持ちながらも障害者手帳を持たず、社会的に自立していることだそうです。
以前読んだ別の本で似たような発達障害の捉え方について説明がありました。“何らかの発達特性を持っているだけでは発達障害とは言えず、「発達特性+社会的不適応=発達障害」と考えられる”。
両者のポイントは、問題なく会社(学校)に行けているかといった社会参加の有無についてだと思います。少し粗雑な言い方にはなりますが、特性があっても、問題なく働けていればOKということだと思っています。
事業所会議でも度々話題が出ますが、利用者の方の「こだわり」をどのように職種に結び付けられるか、もしくは給料で「こだわり」に関するものを買うことを原動力にしてもらうということがより理解できました。
2つ目は、自閉症スペクトラムの方の特徴についてです。
定義は知っていたつもりでしたが、この本では、「自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い」という説明がされていました。自閉症スペクトラムの方の行動原理を直感的に理解しやすい説明であると感じました。これを頭に入れておくと、利用者の方への対応を落ち着いてできるだけでなく、アセスメントするときにも役立ちそうだと思いました。
この本を読み、自分は自閉症スペクトラムについて、なんとなく理解しているつもりでしたが、まだまだ不十分だと感じました。もっと他の疾患についても知識を掘り下げる必要があると感じたため、1冊に1つの疾患のみ取り上げている本を読んでみたいという気持ちになりました。