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お疲れさまです。
7月も後半を迎え、うだるような暑さの毎日が続く日々ですが皆様はどうお過ごしでしょうか。
今回は課題図書の『自閉症の人の人間力を育てる』を読了しましたので、本書に関する感想をこちらの方で記載させて頂ければと思います。
そもそも「自閉症」とはどういった物なのか。
正直な話を申しますと、自分自身も2年前に福祉の業界に入るまでは漠然としたイメージで「定型発達の方とは少し違った考え方をされる方」というぐらいの認識でした。恐らく今、社会で一般的な生活を送られている方々の中で「自閉症とは何か」と聞かれても、以前までの僕と同じような回答が返ってくることでしょう。また、「自閉症」とパソコンで検索してみると、「自閉症 わがまま」や「自閉症 言う事を聞かない」などという検索ワードが目につくことがあります。こうした検索ワードを見た人の中にはそのまま「自閉症を持っている人はわがままなのだ」という感想を持つ方もいることでしょう。ですが、それらは果たして本当の事なのでしょうか。「自閉症」と日々付き合われている方々は本当に他人の事など考えない傍若無人な人たちなのでしょうか。僕はそうではないと思っていますし、今回こちらの本を読んでみて、自分の考えにますます自信が持てたように思えます。
僕ら1人1人の見ている世界が違う様に、自閉症をお持ちの方々は独特な世界を生きておられます。それはまずその事を認識して、彼らが見ている世界とはどんな物なのか。その世界と定型発達の方が見ている世界はどのような「ズレ」があり、そのズレは社会生活を営む上でどう対処していくべき物なのだろうか。そもそも、その「ズレ」とは本当に全面的に「治さないと」いけないべき物なのか。本書はそうした問いに応えてくれると共に、自閉症をお持ちの方々が普段見て、感じている世界を追体験させてくれるようでした。
特に面白く感じたのは言葉の掛けかたについて、自閉症の方には「よく見て」や「よく聞いて」「きちんと」「早く」「ちょっと待って」といった言葉は自閉症の方には伝わらないといった事が書かれていた場所です。自分自身、前職から自閉症の方に携わる機会があったのですが、その際からこうした言葉は良かれと思って投げかけていた事があったので、本書を読みながら改めて正しい知識を事前に習得しておくことの重要性を感じた次第です。
「自閉症」という障害をお持ちの方々は日々社会の波にのまれながらも懸命に自分自身のこだわりなどと折り合いを付けながら頑張って生きておられる方々です。本書を読みながら、そうした方々を支援する我々は正しい支援の在り方を模索し続けなければならないと共に、社会全体においても「自閉症」という障害はどういった物なのか、もう少し正しい認識が広まってほしいなと思った次第です。