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8月1日に2度目の15期研修に参加しました。
今回は、とある架空の利用者さんのケースをもとに、
・どのように利用者さんを理解するか
・クロスジョブでの通所でどのようにフィードバックをしていくか
の2点について議論をしました。
2グループのAチーム、Bチームに分かれての意見交換でしたが、自分たちにはない視点、抜け落ちていた点など、「あぁ…それもあった」といろいろと考えさせられることが多く、今回も参加してよかったと思います。
印象に残った点を、今回も振り返りたいと思います。
〇その人の過去から読み解く
前回の研修報告でも述べましたが、どうしても訓練の場面では「ここを直したほうがいい」という利用者さんの個性に着目しがちなことが、自分ではまだまだ多いと思っています。
その前に、まずはその人が
・どんな生活を送ってきたのか
・家族や周囲との人間関係はどうだったのか
・どんな仕事(もしくは学校生活)をしていたのか
など今までを知ることが大事だ、と今回の研修でもその正しさを確信することができました。
今回の架空の利用者さん「ヒロミさん」は、仕事における作業能力は高いが、人間関係で悩んで仕事を転々としてきた人という設定でした。
ヒロミさんを含めて家族4人暮らしではあるが、「自分の話を聞いてもらえない」「肯定、ほめてもらえる環境が少なかった」という事情を読み解くことができました。
そういった事情も、このヒロミさんの考え方の一つ
「なぜ周りの人はできないのか?」
「これに対してはもっとこうするべきだ」
という考え方を否定ばかりするのではなく、
「確かにこの点で考えると正しいよね」
「他人はできるかはともかくだけど、そのやり方でもできるよね」
と一部肯定をし、自信を持ってもらうことにつなげないといけないとわかりました。
人によって事情は違いますが、過去を聞いて、状況を整理する。
そして、肯定できることは肯定することで、少しずつ前を向いてもらうことが大事だと感じました。
〇統一的な訓練ではなく人によって工夫する
架空の利用者ヒロミさんの訴えには
「自分はここで訓練するべきことがない。スキルアップすべきことがない」
というものもありました。
一般的に考えると
「それじゃ、来るな!」
で終わってしまいそうなものではありますが、そうではなく、訓練内容を工夫することがヒロミさんにとってもいい方向につなげることができます。
・レベルUPで難易度の高い内容をしてもらって、自己肯定感を高める
・事業所で実際に困っているものを仕事として振る→みんなの役に立つという肯定
・発展的な内容をする→実際の希望の仕事に近いもの。就職への意欲を高めてもらう
など、内容を工夫することで、ハードスキルの面からも肯定感を得てもらえるとわかりました。
自分で肯定感を得ることができれば、周りの人の「できない」には目が向きにくくなるという意見も出て、そのように「仕掛け」をしていくのもできるのだと勉強になりました。
〇理解ができなければ、外部にフィードバックを求める
私たちが普段訓練でいくら
「周りからこういう風に見えているよ」
と本人にとって「課題」とも言われる、強く出ている特性についてお話をしても、それを理解できない利用者さんもいらっしゃいます。
そういった時にはどのように働きかけるか。
・自分も同じことを体感してもらうような働きかけをする
→普段、その利用者さんの強く出ている特性を分かってもらうようなたとえで、ご本人に体験をしてもらう
・施設外訓練や企業実習を通して外部の方からフィードバックをもらう
→企業からの「見え方」を外側の人から伝えてもらうと受け入れられる
という風に働きかけることができるという意見が出ました。
特に私は、「仕掛け」を考えるのが非常に苦手なので、どのようにしてわかってもらうかの案を思いつくことができなかったのですが、研修担当の先輩方のお話を伺い、非常に勉強になりました。
また、強く出ている特性を単に「課題」としてとらえるだけではなく、長所として活かせる場面を作ることを考えることも大事、という点も印象に残りました。
■議論の際に学んだ注意点について
今回、研修内で気づかされ、一番はっとしたのが
・議論をする際に、ぼやっとした焦点で議論しない
ということです。
最初、同じグループの同期と議論をしている際、「ヒロミさん」のいろんな特徴を焦点に入れて議論をしていました。
ただ、その後アドバイスをいただき、一つの「柔軟性がない」というポイントに絞って議論をしたことで、明確に答えが出てくることが多くなりました。
これは、今回だけではなく、普段の事業所での会議の際も意識しなければならない、と思いました。
〇最後に
今回も、気づかされることが多い研修でした。
学んだ内容を100%訓練に反映するのはなかなか難しいですが、「エッセンス」くらいの量でもいいので、自分で考えて利用者さんに働きかけ、一緒に動いていけるような訓練ができたらいいな、と思います。