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こんにちは、阿倍野事業所の村上です。
久しぶりに読書感想を書きました。高次脳機能障害の方の見える世界がわかりやすく書かれていますので是非、読んでいただければと思った本です。
この方は医師でありながら、3度の脳出血により左半身麻痺と高次脳機能障害をもつ当事者となりました。
高次脳機能障害や身体麻痺を患う方しか体験できない世界を医師の知識を交えて表現されているためとても分かりやすく、少し高次脳機能障害のかたの世界を体験させてもらえたような気がしました。
その世界はとてつとなく障害に溢れていて、いつ脳は休めるのだろうと思う程大変。
いつも何気なくしていること全ての行動を目で見て脳と会話して、体に司令を送らないといけなくなります。
バリアフリーとして、道路に引かれた黄色のボコボコとした突起物も麻痺のある方にとっては障害物になります。私達が気づかないような小さな段差も同じ色で統一された階段もすべて障害物になり得ます。
この数年間、社会はバリアフリーに向けていろんな施設基準が見直されてきたと思いますがまだまだだということを痛感しました。
また、本来であれば患者さんを励ましながら専門的な医療を提供する医療者の言葉がどれだけ大きな影響を及ぼすのかも書かれていました。
「そんなことじゃやっていけない」「ダメそうだ」などの否定的な言葉を言う人もいるようです。
ここまでの言葉は使ってなくても希望を持って生きようとすることを妨げるような言動をしてきたかもしれないと考えさせられました。
高次脳機能障害の方と認知症の方は似ていますが、明らかな違いは「自分が誰だかを知っている」という点だと述べられています。
当事者の方自身が客観的に自分を見つめることができるのです。大人としてのプライドは心の中にしっかりと持っている。その点は支援する時にいつも私も意識しているところです。
子供を相手にするような話し方、出来ないことを責めるようなことはしないと常に思っています。
この本を書かれた山田さんは、3度も脳出血を患い、その度に高次脳機能障害や身体の麻痺などの障害の山にぶつかりながらも、その度に学習しリハビリテーションを今なお継続しておられるところは本当に素晴らしいなと感じました。
挑戦し続けるものには限界はないこと、なによりも強い意志が大切であることを学びました。
そうは言っても、常にポジティブでいられる方はそうそういないと思います。
今のご時世、心が落ち込む方も多いと思うので周りの方に助けてもらいながら、休憩しながらまた前に進んで行けたらいいなと思います。
長文になりましたが、読んでいただき有難うございました。