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こんにちは。阿倍野事業所の浜本です。
読んだままになっていた本をこの土日でいくつか整理しました。久しぶりの読書報告ということでアップできればと思います。
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「過労死はそのまま海外でも通じるらしい」と聞いて驚いたのは、数年前のことです。
"日本人は働きすぎる"
と言われても、日本でしか働いたことがないもので、いまいちピンとこない。働き方改革によって日本も色々と変わりつつありますが、福祉が充実しているイメージの北欧ではどんな働き方が当たり前なのか、気になって本書を手にとりました。
◆16時を過ぎると、みんな帰っていく
8時過ぎから働く人が多く、16時半を過ぎるとほとんど人がいなくなるオフィス。必ずいなければいけないコアタイムや就業時間さえ守っていれば文句を言う人はいないし、残業はほとんどしないのだそう。
「働く時間も大切だけど、それ以外の時間も大切」という国民性がそうさせると著者。どうしても残業しなくてはいけない時は、仕事を終えてから次に仕事に行くまでに11時間のインターバルを設けなくてはいけないと決まっているらしい…徹底ぶりがすごいですね。
フリーアドレスの職場も多く、個室(声をかけていい時は扉をあけておき、声をかけてほしくない時は扉を閉めておくらしい。わかりやすい!)で仕事をしたり、オープンスペースにいても静かにマイペースに仕事をするのだとか。
◆コーヒー休憩は法律で決まっている
効率のいい働き方には休息が必要だという話だったのですが、コーヒー休憩(カハヴィタウコ)が法律に定められているとは…。コーヒー片手に同僚とゆっくり話をする時間でもあるようで、コーヒールームとよばれる休憩室や休憩コーナーを設けてあるところも多いのだとか。しかも快適に過ごせるように色々工夫されているそう。
仕事中だとちょっとした相談事でもタイミングを気にしてしまいがち。でもこういう休息時間があれば、コーヒー片手にリラックスした環境で日々の悩みも話しやすくなりそうな気がしました。
◆職場での平等でオープンな関係性
第3章フィンランドの心地いい働き方は「肩書きは関係ない」という話で始まります。オープンでフラット、上下関係があまりない組織体制は効率や企業文化にも影響しているそう。そもそもフィンランドの働き方は流動的で、勤続わずか数年でも長い方に入ったりするのだとか。
私がいいなと思ったのは、流動的だからこそ「成果と結果が重視される」という文化。管理職がしたい人はあがっていけるし、現場でやりたい人はそんな管理職を支えながら仕事をする。性別や年齢ではなく、それぞれが裁量権を持って業務が明確化された中で働くことができるというのは、年功序列が重視されやすい日本においては、あまりない文化かも?
◆休むことは生産性のためにも必要
なんと、夏休みは1ヶ月。7月にフィンランド人にメールを送ると、「アウト・オブ・オフィス。8月××日まで夏期休暇中です。」と自動返信が送られてくるというのだから、驚きです。そんなに長い休暇をとったのは、大学時代(10年以上前)が最後…。
新卒採用制度がないフィンランドでは、就職の際に大学生もベテランも同じ土俵での戦いになります。それゆえインターンのニーズは高いのだとか。休み中に仕事をしなくていいように自分の仕事をカバーしてくれるインターン生やチームメートを決めて、思いっきり自分の時間を楽しむ。仕事から完全に離れ、デジタルデトックスもして、また4週間後に仕事に戻っていく。「1年は11ヶ月と割り切る」というのが、なんとも面白いなと思いました。
フィンランド人は「人は人、自分は自分。」という考え方を持つ人が多く、相手の顔色をうかがう人が少ない気がする、と著者は書いています。自分らしく、働きやすい環境で働く。だからこそ流動的で成果や結果も求められるけど、日本とはまた違う魅力もあります。「どちらが良いか」ということではなく、自身がどんな働き方をしていきたいのかを考えることが大切なのだと感じました。
読んでいただいてありがとうございました。