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皆様、こんにちは。 クロスジョブでは9月11日に開催される「第2回クロスジョブ3年継続就業者表彰式」に向けて、クロスジョブから就職された企業様を順次訪問させて頂き、障害のある方と働く従業員の皆様にお話を伺っています。 阿倍野事業所の「パートナー企業のご訪問」は今回で9社目になりました。今回は、阿倍野事業所から1名(Yさん)、堺事業所から1名(Mさん)の方を雇用頂いている【アドレス・サービス株式会社】の斉藤様にお話をお伺いしました。   ◆作業について 永田(以下、N):本日はお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。 現在、貴社では障害のある従業員の方は何名働かれているのでしょうか。 斉藤(以下、S):大阪地区では、YさんとMさんの2名が働かれており、お二人が大阪地区での初めての障害者雇用です。 N:MさんもYさんと同じ部署で働かれている様ですが、お2人で作業に取り組まれることはありますか。 S:基本的には1人で完結する仕事をお願いしていますが、近い場所で作業をしているので、「次は何をしようか」という相談はお互いにしていますね。 N:お1人ずつの作業ではあるけれど、協力しながら作業をされているのですね。 毎日別の業務をされているのでしょうか。 S:大きく分けると資材作りや梱包の箱をカーゴに積み込む仕事です。 その中で種類が沢山あるので、違う作業だと言えます。考えながら作業をしないといけないこともありますね。   ◆お二人の仕事ぶりについて N:大阪地区ではYさん、Mさんが初めての障害者雇用。初めて障害者雇用をされてみて、率直な感想は何かありますか。 S:正直な意見ですが、思った以上にやってくれているという印象です。 N:最初はイメージが違ったということでしょうか? S:どこまで作業をお願いできるのかなという気持ちはあった。しかし、思った以上にいろいろ作業をお願い出来て、ミスも少ないです。3年間仕事をやってもらった中で、大きなミスは一度もなかったですね。 N:それは凄いですね。 S:凄くきっちり仕事をやって貰っているなと思います。 N:ミスがゼロと言うのは、分からないことも事前にちゃんと相談が出来ているから防げていると言うことなのでしょうか。 S:そうですね。YさんとMさんのお互いも話し合っているし、他の従業員ともちゃんとコミュニケーションを取りながら確認作業をしています。 N:最初はどこまで作業をお願いしたら良いのか、なかなか掴みきれない状態だったのでしょうか。 S:そうですね。当初は、限定的に「これだけ」という作業をお願いしていましたが、少しずつ作業の幅が広がってきています。 N:もともと雇用される時から、このくらいの仕事量で作業をして欲しいと言う希望はあったのでしょうか。 S:それはないです。膨大な商品、数を取り扱うので、どうしても作業者の手が必要だった。 雇用当初は商品の数や覚える事も少なかったので、「これだけなら大丈夫だろう」とお願いしたが、どんどん商品や資材も増えてく中で業務が増えていったイメージです。 N:作業ミスは従業員の障害の有無に関わらず、発生していたことなのでしょうか。 S: 基本的にはミス自体がほとんどない部署ですが、その中でも二人の名前は挙がって来ないですね。 N:日々の確認やみなさんの中でコミュニケーションをしっかり取られているからこそ、ミスなく作業が出来ていると言うことですね。   ◆働くために必要なこと N:社会にでる上で大事だと思うことは何でしょうか。 S:現場でのコミュニケーションだと思います。 障害者、健常者を問わず、コミュニケーションが出来ていないと連絡、伝達漏れが発生します。 この業務では改善活動やクライアント様の指示で作業方法が変わる場合がありますので、伝達がしっかりしてないと漏れが発生してしまいます。 その中でやっぱりコミュニケーションというのは大事だと思う。 例えば、管理者が「○○お願いします」と1日だけ伝えたとする。そうすると、その日に休みだった人が次の日に出勤した時、「聞いてないよ」となります。 そこで、次に出勤した人に対して「こうやるんだよ」と伝えるのは現場で行っています。 現場での連携がないまま作業が始まってしまうと、知らない人は知らないまま作業をやってしまうので、当然正しい作業が行えなくなる。 そう言ったコミュニケーションは重要で、特に現場作業は管理者が見えてない部分が多くある。コミュニケーションがとれてれば現場作業は間違いなく回ります。そこが重要だなと思いますね。   ◆どこまでコミュニケーションを取るのか 濱田(以下、H):我々の会社でも同じだが、どこまで現場の中が成り立っているのかが大事。 斉藤さんと同じ立場の人間からの質問なのですが、「そんなことまで聞いてこないで」「自分で考えてよ」と言うことはないですか。 S:ありますが、現場の人は指示を受けて作業する人。 我々に関しては、答えがないものを形にして運用しよう、こうしようと決めるのがお仕事です。 現場の人はわからなかったら基本的に聞く。わからないままにしてやると絶対ミスが出てしまいます。 H:パートの方が多いので、「何でも聞いていいよ」と言う風にしておかないといけない。 S:ただし、段階はあります。現場管理者がいるので、現場のちょっとしたことであれば、現場管理者の采配に任せていますね。 その中でも、現場ではどうにもならないシステムや大きな運用、他者が絡んでくるとか、そういう判断が必要なものは現場管理者か私に報告がきます。 全部私が1人で報告を聞いたら仕事は回らないですし、私が居ない日に何も出来なくなる。基本的には現場管理者が現場の人達の話を受けます。 そこに現場管理者、リーダー、サブリーダーを配置しているので、内容を確認してもらい、それでも話がまとまらないものは私のところに報告がくるという形をとっています。 組織図と言うか、情報の流れはきっちりしておかないといけない。統率は必要です。   ◆会社が一緒に働きたいと思う人 N:色んな方を採用されてきていると思いますが、障害あるなしに関わらず、採用のポイントは何かありますか。 S:難しいですね。「いけそうだな」と思う人とそうではない人がいる。 砂川(以下、SU):何か具体的なエピソードはありますか。 S: おおらかって言うのかな。「なんでもやりますよ」みたいなタイプの人の方が仕事はやってくれる。 「お金くれなきゃやらないよ」みたいな人も世の中いるので、そういう人って難しいですね。 後は、決まったことしかやりたくないとか、色んな人がいますが、「何でもやりますよ!」とどっしり構えている人は凄く良いなと思いますね。 SU:前向きに、お願いされても「分かりました」という風に捉えられたりする人が良いと言うこと。 S:そうですね 何も考えていない訳ではないですが、「別にいいですよ」と快諾してくれる人が良いですね。あとは好き嫌いが激しそうな人は、ちょっと難しいなと思ったりしますね。   ◆会社が行っている配慮 H:会社が行っている特別な配慮は何かありましたか。 S:気遣いに関してはないです。ただし、365日稼働で土日祝関係なしに営業をしているので、お二人の休みは固定になっています。契約書に書いているわけではないが、固定休になっていますね。それ以外の配慮は特にないです。 H:パートの方から「障害者の方はいいよね」という声は出ていないか。 S:それはないですね。だから長続きしているのかなと思う。 従業員は二人と普通に接してくれていますし、良い子だよと言ってくれています。作業にミスもないですし。 H:やはりミスがないという事は大きなことなのか。 S:そうですね   ◆今後会社がお二人に期待すること H:今後、会社としてお二人に期待することは何かありますか。 S:このまま継続してミスなく作業をしてほしい。新しい商品がどんどん出てくるので、その中でもミスなく作業をしてほしいと思います。 H:今の話を伺っているとお二人が本当に正確に作業をされている様子が伺える。ご本人達にとって、ストレスのかからない作業環境が今の状態を生み出しているようにも思った。 S:それはあるかもしれないですね。 H:就職したての頃は、会社の方も「頑張っているね」とよく声掛をしてくれるが、働き続けると段々その声掛もなくなってくる。その事に対し、疎外感を覚え、作業能率が下がってしまう人もいる。しかし、貴社の中ではその様な状況が感じられなかった。 S:2人働いているからかもしれません。YさんからMさんに声掛をすることもある。Yさんから資材を置いてある場所を共有したり、次にどの様な作業をしようかと相談することはしている。 H:自分のやれる仕事があるということは大きいか。 S:それはある。今の部署は2人にとって出来る仕事があるので、良い環境で仕事をしていると思う。 H:仕事を任せてもらっている事は本人の働くモチベーションに繋がっていると思う。ミスがないという事で現場から認めてもらっている事も大きい。 S:Yさんは仕事に関して、こうして欲しいとか要望も出してくれます。最初の頃は色々あったと聞いていますが、今はお二人とも相談はしてくれますよ。   【企業インタビューを終えて】 斉藤様には会社のこと、Yさん・Mさんの働きぶりについてお話をいただきました。その中で、何度も話に挙がったことが【ミスなく作業をする】ことでした。正確に作業を行い、仕事の幅もどんどん広げていかれたことで、お二人は会社からの信頼を得られていった様です。 クロスジョブの訓練でも正確に作業を行う大切さをお伝えしていますが、Yさん・Mさんの事例も減利用者の皆様に知って頂くことで、訓練の励みにして頂ければと思いました。 今回のご訪問は、9月11日の「第2回クロスジョブ3年継続就業者表彰式」のポスター発表でも報告させて頂く予定になっております。 最後になりましたが、斉藤様にはご多忙の中、インタビューに対応していただけたこと、心よりお礼申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。   (インタビュー担当:濱田・砂川・永田)