クロスジョブは、今年設立10周年を迎えることができました。これも一重に就労移行支援サービスを御利用いただいた方々、クロスジョブから就職され今も働き続けている方々、その御家族、そして、雇用ならびに実習等でご協力いただいた企業の皆様、さらに、一般就労に向けて互いに支えていただいた支援機関の皆様、法人会員の皆様のお力添えの賜物と深く感謝いたしております。
昨年の干支、亥は「発芽に備えてエネルギーを貯める時期」、植物の成長に例えれば、葉っぱも花も散ってしまい種に生命を引き継いだ状態、季節では、冬、春の芽吹きまで、じっと固い種の中でエネルギーを内にこめている時期といわれ、クロスジョブにとっても、まさにそうした年にあたりました。
クロスジョブ設立の目的であり、支援の柱でもある就労移行支援事業は、一昨年4月、就労定着支援の開始に伴う報酬改定により、本来求められる職業準備性支援よりも職業紹介事業に変容し、人口の多い都市部でしか事業が成り立たない深刻な危機的状況にいたってます。そうした流れに、クロスジョブも例外なく、それまで定員を超える利用状況であった事業所も開所以来、最も厳しい状況を迎えました。こうした危機的課題に対して、下半期から新たな取り組みを開始し、次へのエネルギーを蓄えてきました。
その一つは、地方の就労移行支援事業所が閉鎖を余儀なくされる中で、利用者に来てもらうのを待つのでなく、就労移行支援サービスを届けるアウトリーチの取り組みを本格的に開始したことです。そして、職業紹介レベルでは適切なサポートを得ることができない、より高い支援力が問われる方々のクロスジョブ利用増加に向き合い、チームとして支援する礎を固めてきました。
さらに、大阪府内クロスジョブ4事業所においては、大阪府委託訓練「在職者訓練」を受託し、就労移行支援等の障害福祉サービスを利用せずに就職し、職場定着に困難をかかえる方々に対する支援を雇用企業と連携して取り組み始め、クロスジョブ米子では、鳥取県では、一般の職業訓練の委託訓練を開始し、就労移行支援事業を利用しにくい方々で就職に向けた支援が必要な方々への取り組みを開始、就労移行支援で培った支援のすそ野を広げてきました。 また、働き方改革が叫ばれる中、働き盛りの40~50代の方々が、脳梗塞などの脳血管障害=高次脳機能障害になられている状況を変革していくことこそ「真の働き方改革」として位置づけ取り組みを飛躍的に拡大する準備に入りました。
2020年の干支は、庚子(かのえね)、その意味は、成長が終わった状態と次のはじまりのときにあたり、今後の道を計画する年、次の波を作り始める年といわれます。まさに、時同じくして、クロスジョブ設立10周年にあたり、向こう5年から10年先を見据えた計画を一年かけて練り上げていきたいと考えています。
設立10周年にあたり、障害者雇用促進月間では、9月6日に「クロスジョブ設立10周年記念、障害者雇用促進フォーラム」を開催し、12月障害者週間にあたる12月5日に、「クロスジョブ設立10周年ファイナルイベント」として、高次脳機能障害と発達障害をクロスして向こう5年先を見通すファイナル企画を開催します。
ぜひ、これまで以上に多くの皆さんと共に2020年を歩んでいきたいと考えています。本年もよろしくお願いいたします。